欲望の飴と飴売り少女

「 ちょ…⁉︎」


岡田さんが何か言いたそうだけどあたしはそれを遮る。

「山下さん、洗面台借りてもいい?」

「あ、うん!右に曲がって真っ直ぐ行った所にあるから。
私テーブルを拭くから行ってきて」

山下は慌ててテーブルを拭く。絶対高そうなテーブルにジュースをぶちまけて少し申し訳ないと思う。

「ありがとう!服に染み込む前に行こう?岡田さん」

あたしは岡田さんの腕を強く引っ張った。洗面台まで無言で軽く引っ張りながら行った。あたしはドアを閉めた。

「ちょっと木原さん、わざとやったの?」


岡田さんがすごい不細工な顔で怒る、あたしは笑いそうになる。

「で?何か文句あるの」

「服汚れたんだけど!」

唾を飛ばしながら叫び汚いしうるさい。

「いいじゃん。どうせダサい服だし」


「な、なんで…オレンジジュースのしみ取れないじゃん…もしかして今までそうやって馬鹿にしてたの?」


あたしはニコッと笑った。


「そうだよ」
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