欲望の飴と飴売り少女

「あれぇ〜？春香ちゃんだぁ！久しぶり」
あの飴の女の子はあたしに気づいてブランコから飛び降りて来た。

「久しぶり…」
少し言い方は冷たいかもしれない。


「ねぇ、飴のこと信じてくれたぁ？」

「うん」と頷いた。少し太陽が出てきて暑い。なのに、この子は長袖。


「どうしたの？日が出てきて暑い？私の家すぐそこなんだ！来ない？」



家には誰もいないが今は帰りたくない気分だ。


「うん、邪魔じゃなければ」



「じゃあ行こぉ」

女の子は鼻歌交じり歌いながら歩き出す。



山下と同様に大きい家だ。山下の家が和風でこの子の家は洋風だ。家の中は、アンティークな雰囲気で気品がある。