Elevator Girl
「…手、離して下さい。私、年上ですよ?」

「知ってますよ。10年前は上戸彩と言われてモテモテで、今は…何でしたっけ」

「きゃーっ!」

恥ずかしすぎる台詞をズケズケ言うから、顔が熱くなった。

その瞬間唇がふさがれる。


「……うるさい。わかった?」


こくりと頷いた時、ドアからギャル風の看護師が入ってきた。


「相模せんせえー?やだ、今日は出勤早いっ!
この人は、、、彼女さんですか」

「いや、さっきそこで行き倒れてたんで、僕が助けました」


キリッと答える相模祐の腕をつねった。

行き倒れ……?
うん、まあここは空気を読もう。

「珍しいですねー。この時代に行き倒れなんて…。
でも、相模せんせえやさしー!

ってことで、今日は合コン来てくださいね?なんなら、二人でデートでも?」


「それはっ……考えとくよ。53F空いてないかもしれないしっ」


明らかに顔がひきつってる、と思いながら帰る支度をした。

「もう、大丈夫です。あと、私」


「知ってますよ。一ヶ月後、2Fの店僕が最初のお客です。
だから、さっき僕がしたことも……プラマイゼロってことで。
頑張って下さい」                                                                                                              
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