Elevator Girl
津田薫さんと初めて会ったのは二年前。
桜庭さんの結婚式に出席した際だった。
泣いている女性が一人、ひっそりと出ていったから気になって追いかけた。
外のベンチでワインを飲んでいた横顔が、すごく傷ついていて、
ーーーー私があのウエディングケーキをつくったのよ、上手でしょ?
泣きながら笑うから、胸が締め付けられた。
咄嗟に抱きしめて、
ーーーー大丈夫です、諦めなくてもいいから
なんて勝手な事を言ったこと、恨んでますか。
あれから53Fに通う度、カウンターから厨房を覗きこんだ。
薫さんを見つけて、胸がざわめいて、
桜庭さんに笑いかける姿を見ると、心配で、同時に妬けて仕方なかった。
居酒屋で見つけた時は、びっくりしたけど、嬉しかった。
やっと話が出来ると思ったら、僕のことを忘れているし、
それにまた、桜庭さんのことで泣いていた。
苛立って、勢いでキスをした。
でも、二回も僕のことを忘れたんだから、
おあいこですよね?
桜庭さんの結婚式に出席した際だった。
泣いている女性が一人、ひっそりと出ていったから気になって追いかけた。
外のベンチでワインを飲んでいた横顔が、すごく傷ついていて、
ーーーー私があのウエディングケーキをつくったのよ、上手でしょ?
泣きながら笑うから、胸が締め付けられた。
咄嗟に抱きしめて、
ーーーー大丈夫です、諦めなくてもいいから
なんて勝手な事を言ったこと、恨んでますか。
あれから53Fに通う度、カウンターから厨房を覗きこんだ。
薫さんを見つけて、胸がざわめいて、
桜庭さんに笑いかける姿を見ると、心配で、同時に妬けて仕方なかった。
居酒屋で見つけた時は、びっくりしたけど、嬉しかった。
やっと話が出来ると思ったら、僕のことを忘れているし、
それにまた、桜庭さんのことで泣いていた。
苛立って、勢いでキスをした。
でも、二回も僕のことを忘れたんだから、
おあいこですよね?