Elevator Girl
一方的な電話が切れる。
ばか。
それで、私を試してるつもり?
もうとっくに、選択肢はないのに。
…このコートじゃ寒いよね、でも今すぐに逢いたい。
逢って抱きしめてもらったら、きっとあたたかい。
駆け足で店を出て、エレベーターに乗った。
「お店、おめでとうございます。お帰りですか?」
「ありがとう、今から北海道に行ってきます!」
言い切ると、エレベーターガールの日向さんは、驚いたように目を丸くした。
「す、すごいですね!楽しんできて下さい」
「うん。日向さんも、またのお越しお待ちしております。
…次は、フォンダンショコラでもどうかしら?」
意味ありげに目配せすると、日向さんの頬が赤く染まった。
「お気をつけて、行ってらっしゃいませっ!」
開店初日で疲れているはずなのに、急ぐ足は軽やかだった。
変なの、
さっきまで待っていたのに、今度は急いでる。
相模くんは無茶苦茶で、子供みたいに我が儘な人だ。
でも、その我が儘に付き合うのも嫌じゃない自分がいる。
……最高のバレンタインになればいいな。
左手にフォンダンショコラの袋を握りしめて、
もう一度駆け出した。
ばか。
それで、私を試してるつもり?
もうとっくに、選択肢はないのに。
…このコートじゃ寒いよね、でも今すぐに逢いたい。
逢って抱きしめてもらったら、きっとあたたかい。
駆け足で店を出て、エレベーターに乗った。
「お店、おめでとうございます。お帰りですか?」
「ありがとう、今から北海道に行ってきます!」
言い切ると、エレベーターガールの日向さんは、驚いたように目を丸くした。
「す、すごいですね!楽しんできて下さい」
「うん。日向さんも、またのお越しお待ちしております。
…次は、フォンダンショコラでもどうかしら?」
意味ありげに目配せすると、日向さんの頬が赤く染まった。
「お気をつけて、行ってらっしゃいませっ!」
開店初日で疲れているはずなのに、急ぐ足は軽やかだった。
変なの、
さっきまで待っていたのに、今度は急いでる。
相模くんは無茶苦茶で、子供みたいに我が儘な人だ。
でも、その我が儘に付き合うのも嫌じゃない自分がいる。
……最高のバレンタインになればいいな。
左手にフォンダンショコラの袋を握りしめて、
もう一度駆け出した。