Elevator Girl
「……え」

「カフェなら、まだまだ混んでるだろうな。
先に行って、並んでいようか」


私は久堂さんの端正な顔を、まじまじと見る。



な、何を言ってるの、この人。

ちょうど、もうすぐ交代時間だけれども!



混乱した頭のまま、エレベーターは非情にも2Fに到着した。


「……く、久堂さん、」

「はい」

「あの、その…どうして私と」


「待っていますね」


私の疑問を、またもや爽やかな笑顔で断ち切って、
久堂さんはエレベーターから降りていく。


後には、呆然とした私だけが取り残された。







訳が分からないまま、2時になり、8Fで次の時間のエレベーターガールと交代をする。


「あおいちゃん、お疲れ様。お昼、ゆっくり取ってね。
……あれ、どうかした?」


気の許せる先輩の顔をみて、思わず口走った。



「静さん、私、どうしたらいいんでしょう…?」                                                                                                     
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