Elevator Girl
         ***

「待って!」


背中に追いかけてくるヒールの音がした。


「何」

「………っ、何ってあんたねえ。突然すぎんのよ!」

「お前のびっくりした間抜け顔見たかったし?」

「さ、さいてー!
ほんと性格悪いわ、何でみんな久保みたいなのが好きなのか、さっぱり理解できない!」



あー、かわいくない奴。
なんでこんなのを3年も好きなのか、俺も理解できない。



「まあ、お前と違って世渡りがうまいってことだな」

「……なに、ケンカ売ってんの?」

「売ってないって、あーコワ。
もっとかよわい女にならないと、婚期逃したまま30突入だな」

「そ、それはあんたも一緒でしょ!
同い年なんだから!!」

「いや、俺男だし?焦らなくても、モテてるし?」



何も言い返せないようで、鈴木は顔を真っ赤にして、
口をパクパクしている。


おもしれえ顔。



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