青春、ぜんぶ。
「翼ぁ?今日、放課後なにする?」
「…んぁっー。なにすっか?
またぶらぶらするか?」
「…うーん。もううちら遊びまっくってすることないじゃん……あははっ!」
わたしが後ろで翼のお腹を押さえて笑うと、こしょこしょされてるみたいだと、言って笑う翼。
……何気無い日常。
きっと、この何気無い日常こそ、ありふれた財宝だったんだと思うんだ。
今のわたしならわかる。
この幸せに、その時は気づけなくても……。
いつかきっと。幸せだと思える日がくるんだと。