青春、ぜんぶ。






わたしのクラスに入ってくるなり急いでわたしの机の前にきて
わたしの頬を掴む。


「…いっ…たいよ…!」

捕まれた頬が痛くて、変な声が出てしまった。



「…ボーッとしてっから。ははっ!


と、笑う翼。



「もぉーっ。」








二人で学校をでて、しばらく歩いた。


翼の家は、わたしの家の前。



小さい頃から、よく遊んでいた。
わたしたちは、ほぼ毎日のように小さなことでケンカして…。


仲直りも毎日のようにした。


だから、今では隠し事なんてない。

たまに、また小さなことで喧嘩する。


このサイクルは、きっと変わんないよ。








「今日、商店街に、新しいお店がでたってかぁちゃん行ってたぞ?行ってみるか?」


と、高速違反の二人乗り自転車の前を漕ぎながら後ろに横のりで座るわたしにそう聞いてくる。







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