いつまでも弟だと思うなよ。
今朝も、可奈は俺の家に顔を出してから登校して行った。
けどそれは、本当に顔を出すだけ。
俺と母さんに挨拶を済ませると、可奈はすぐに1人で学校へと向かってしまう。
少し前まで一緒に登下校していたのに、こうなってしまったのは明らかに自分のせい。
それが分かっているのに、俺は何も出来ずにいた。
「ねぇ、奥原くん」
「…何」
不機嫌マックス中の俺に、誰かが話しかけてくる。
声のした方を向けば、そこには炊事遠足以来異様に話しかけてくる金城がいた。
無意識にため息が出る。
ただでさえイライラしている俺に、コイツは爆弾を投下してきた。
「今噂になってる女の先輩って、この前まで奥原くんと登下校してた人だよね?あの2人って付き合ってるの?」