いつまでも弟だと思うなよ。




「タイミングよすぎだろ…!やべ、腹痛い…っ」



そしてこれでもかってくらい盛大に笑ってくれた。





…そう、私が受け取ったのはイチゴジャム。



お母さんのカレーもチカママのイチゴジャムもとっても美味しくて好きなのに、こんなにも複雑な気分なのは、完全にさっきの帰り道でのチカの意地悪のせいだ。





「あらー千景くん、いらっしゃい。ジャムありがとうね」

「あ、いいえ」



あんなに笑っていたはずなのに、お母さんが玄関に現れると途端に通常モード。


チカの切り替えの早さに思わず感心した瞬間だった。





「よかったら、千景くんも食べてく?うちのカレー」

「え、いいんすか?」

「ちょ、お母さんっ!?」




そして、何故かチカを夕飯に誘うお母さん。




私もチカも、急にお隣の家で晩御飯を食べることになるのは小さい頃からよくあることだけども…。



な、なんか今日は調子が狂ってしまう。




それもこれも全部、チカのせいだ。



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