いつまでも弟だと思うなよ。



突然のことに、頭が追いつかない。



けれど、心臓がドキドキしてることだけは理解できた。





「まず、風呂上がりに男に会ったらダメだから。んでそのまま部屋に入れるなんて厳禁。素直に男の言うこと聞いて隙を作るなんて以ての外」


淡々とした口調で私に言い聞かせるように、チカの言葉が後ろから降ってくる。





い、いや、ちょっと待って…?



「それ全部チカのことじゃん!」

「うん、そう」




私の返しに、シレッとそう返事をするチカ。



「うん、そう」って…。





「だ、大体っ、何してるのよ!離して…っ!」


体を捻って腕を解こうとするが、ビクともしない。




「可奈に解けるわけないでしょ。俺男だし」

「私より2歳も年下じゃないっ!」

「年下だろうと男は男だって」



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