いつまでも弟だと思うなよ。
「2人ともー!できたわよーっ!」
「…っ!!」
ピタ、とその気配が止まった。
「あーあ。残念」
パッと腕を解き、放心状態の私を置いてドアへ向かう。
「ほら可奈、行こ?」
「へ、あ…うん…っ」
慌てて立ち上がる私を見て、チカがクスリと笑った気がした。
「…あら?可奈子、少し顔赤くない?」
「そ、んなことないよ?」
リビングに降りた私を見て、お母さんがそう聞いてくる。
無意識で手を当てた頬は、少し熱かった。