いつまでも弟だと思うなよ。
いつもなら今は奥原家へ寄っている時間。
後が怖くてスマホを開いていないが、きっとチカからは連絡が来ているだろう。
「はぁ…」
まだ誰も登校してきていない教室で1人ため息を吐くと、そのまま眠りについた。
「……こ、かなこっ。おーい、可奈子!」
「…ん」
誰かに呼ばれ、うっすら目を開ける。
「どうしたの?こんなに早くに来て。珍しいわね」
そこには、心配そうに私の顔を覗き込む美沙の姿があった。
「あー、美沙。おはよ〜…」
ふわぁ、と欠伸をして挨拶する。
時計を見ると、朝のHR開始まで10分を切っていた。
結構寝たな、なんて1人感心。