いつまでも弟だと思うなよ。
────コツン、
私の額に、何が触れた。
ゆっくり目を開くと、そこにはドアップのチカの顔があって。
「うん、さっきよりは下がったな」
そう言って離れた時、チカが額に額を当てて熱を測っていたのに気がついた。
「何?」
「…別に…っ?」
一瞬、キスされるかと焦った自分が恥ずかしい。
この前から、どうも私はチカ相手にドキドキすることが増えてしまった。
相手は、チカなのに。
チカが変な事ばかりするから、免疫がない私は変に影響されやすいんだ。
「どうせ食欲ないんだろ?ゼリー少しなら食える?」
「…ちょっとだけなら」
「ん、了解」
ポン、と私の頭を撫でてから「買ってくる」と言ってチカは出て行った。
「…熱のせい、だよね」
チカの背中を見送り、ぽつりと呟く。
ドキドキする胸を誤魔化すかのように、私は再びベッドに潜り込んで眠りについた。