いつまでも弟だと思うなよ。
特殊なことといえば、クラスが違うことくらい。
進路先によって理系クラスや文系クラスに分かれている。
まだ私は一切進路を決めていないけど、国語と英語が嫌いな私は理系を選んだ。
そしてそこには、
「よっ、宮野」
「あ、真田くん」
真田くんもいる。
どこか不安だと思ってしまうのは、チカの存在があるからだろうか。
「具合治ったのか?」
「うん、もうすっかり!ごめんね、心配かけて」
けど、男子の中では唯一と言っていいほど話す相手だから、話さないなんて選択を私にはできなかった。
「同じクラスだねー」
「だな。しかも宮野の後ろの席じゃん、俺」
2組の "宮野" と、3組の "真田" 。
文系に行った人を飛ばすと、見事に私達は前後の席になっていた。