いつまでも弟だと思うなよ。



それによって私はチカに引き寄せられ、目の前にはチカの真剣な顔。





「あんな奴、さっさと振っちまえよ。んで、もっと周りを見ろ」

「…〜っ」



それが、あまりにも近くて、真剣で。



また、心臓がドキッと音を立てた。





反射的に腕を振り払えば、それは案外簡単に外れて。






「とりあえず、来週の土曜、忘れんなよ」

「へ?あ、あぁ…」



チカにそんなことを言われるものだから、赤くなってるであろう顔がバレないように返事をした。






一瞬何を言ってるのか分からなかったけど、毎年のことだから直ぐに思い出す。





「め、珍しいね?チカから言い出すなんて」


いつもは私から言い出すから分からなかったんだ。




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