いつまでも弟だと思うなよ。
「は、反抗期だったくせに…っ!」
「いつの話だよそれ。つか話噛み合ってねーし」
いつもいつも傍にいて、大好きな可愛い弟のはずだったのに。
家族愛から、離れることはないと思っていたのに。
「チカのばか〜…」
「だからなんだよさっきから」
自覚しちゃったじゃんか、ばか。
「もういいから、りんご飴食えば?」
「ん…」
「わ、すげー素直」
クスッと笑うチカに、ドキッとする。
チカの触れた手首には、まだ熱が残ってる。
私、チカが好きだ…。
新しく芽生えた気持ちを胸に、私はチカと並んで花火を見上げた。