いつまでも弟だと思うなよ。
「お前って可奈子ちゃんのことになると性格変わるよな」
「………」
「あ、反抗期」
…もうこいつ殴っていいかな。
反抗期のことまで知ってる勇太に、俺はもう無視して自分の机に突っ伏した。
勇太のことはたまにイラっとするけど、図星を突かれることが多いから言い返すことも難しい。
中学も高校も、俺と可奈が一緒に過ごせるのは1年だけだ。
だからこそ、今年こそなんとかしたいとは思ってる。
まずは、彼女のあの線引きする程の警戒心を解かないと。
「…そろそろ本気、出しますか」
可奈は必ず俺が振り向かせる。