いつまでも弟だと思うなよ。
少しずつだけど、可奈の中での俺のポジションが弟から離れていってる気がする。
自惚れてしまう。
もう少し頑張れば、可奈は完全に俺だけを見てくれるようになるだろうか。
アイツじゃなくて、俺を選んでくれるようになるだろうか。
「可奈」
「ん?」
「新しいゲームあるんだけど、夜遊びに来ない?」
「え、行くっ!」
ズルイと言われようが何だっていい。
アイツより、俺のことだけを考えててくれよ。
『真田先輩と宮野先輩のコンビ、好きだなぁ』
今日聞いた話を払拭するかのように、俺は彼女の小さな手をもう一度強く握った。