いつまでも弟だと思うなよ。
Chapter 9**
◇ チカのバカ
「はい、では作業を始めてくださーい」
文化祭1週間前。
全授業時間が文化祭の準備に当てられ、おまけに実行委員は放課後の作業もあるという1番忙しい時期がやってきた。
そして今は放課後。
2年生の指示で、今日は校門前に飾る大きなアーチと看板作りが始まる。
ちなみに私と真田くんはアーチ担当。
…そして、チカと金城さんも。
チカと同じ担当になれたのは嬉しいけど、またその2人を近くで見るとなるとどこか憂鬱な気分になってしまっていた。
「宮野ー、ちょっとこっち来てー」
「あ、はーい」
真田くんに呼ばれ、ハッとする。
そうだ。今は仕事なんだから。
しっかりしなきゃと自分に言い聞かせ、私は真田くんのいる方へと駆け寄った。
「ここに使うペンキ、色が足りないんだよ。悪いんだけど買い出し行って来てくんない?2年は今手が離せないし、1年は1人付けるから」
「うん、りょーかい」
真田くんにメモを渡され、買うものを確認。
「あっ、君。宮野と買い出し行って来て」
「分かりました」
そんな折、真田くんが1年生に買い出しを頼むのが聞こえた。