いつまでも弟だと思うなよ。
ふと顔を上げると、そこにいたのは。
「よろしくお願いします、宮野先輩」
「あ、金城さん…」
ずっとチカと一緒にいた、金城さん。
「うん、よろしくね。じゃ、行こっか?」
一瞬動揺してしまった私は、それを隠すように私は慌てて笑顔を取り繕った。
買いに行くお店は学校から徒歩15分圏内のホームセンター。
金城さんもクラスの出し物の買い出しで行ったことがあるらしく、買い物はスムーズに進んだ。
「あの」
「ん?何?」
買う物も買って、学校へ戻る道の途中。
私の少し後ろを歩いていた金城さんが、私を呼び止めた。
振り返った時に見えたその顔は真剣そのもので、何を言われるのか少しだけ予想がついてしまう。
「宮野先輩って、奥原くんと付き合ってるわけではないんですよね?」
「……」
…ほら、やっぱりね。
予想していた質問に、少しだけため息をこぼしてしまいそうだった。