いつまでも弟だと思うなよ。
本当は、チカが私のことを恋愛対象として見てくれる自信がないんだ。
チカに、好きと言ってもらえるようになる自信がない。
金城さんのような同い年の子の方が、チカは一緒にいたいんじゃないかとどうしても思ってしまう。
「奥原くんもきっと、あたしを見てくれるようになります」
強い、決意の目。
「…そう」
私は、その一言しか返せなかった。
***
次の日の放課後も、また同じ状況。
チカと金城さんが一緒にいて、私はそれを気にしながら作業を進める。
「宮野、これどう思う?」
「へ?あ、うん、いいんじゃない?」
そんな中途半端だったから、真田くんに声をかけられて咄嗟に適当な返事をしてしまった。