いつまでも弟だと思うなよ。



「とりあえず、まぁ。今は明日に向けてこの迷路を完成させることに専念しよ?千景くんとの話はその後!」

「ですよねー…」




はぁ、とため息が漏れる。



そのため息はチカのこともあるけど、それよりも今はクラス展示の製作が憂鬱で仕方ないからで。





「終わるのかな、これ」

「終わらせるしかないでしょ」




2人揃って口の中でモグモグさせながら見つめるのは、教室内に大量にあるダンボールの壁。






私達のクラス展示は、いわゆる脱出ゲームというやつ。




喫茶店系でもよかったんだけど、必要人数が多くて自由時間が少ないからという最終学年らしい案が出てこうなったのだ。



確かに、これなら出入り口に人を立てるだけでいいから喫茶店の半分の人数で済むしね。






ただ、問題は。




「効率悪すぎでしょ、うちらのクラス」

「あはは…」



明日の本番までに、これが終わるかどうか。




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