いつまでも弟だと思うなよ。



「ねー、君。宮野ってもう仕事終わる?」

「え?あぁ、もう上がっていいよ」




私ではなく、受付にいたクラスメイトにそう聞いた真田くん。


私が上がれると分かれば、「じゃあ行こう」と私の腕を引いた。





「え、ちょっと…」



抵抗する間も無く私は腕を引かれながら少し駆け足で真田くんの後を追う。




進んでいく廊下の至る所で、たくさんの人がワイワイと賑わっていた。






────ガラガラ…ッ



やっと足を止めたそこは、さっきまでの賑わいの音はほとんど聞こえない。





「ここなら、ゆっくり話せるでしょ」




…そこは、ずっと頑張ってきた実行委員の集まる空き教室だった。






「は、早くない?」


動揺してバカなセリフを発してしまった。





「ハハッ、宮野は正直だな」



これには真田くんも苦笑い。




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