いつまでも弟だと思うなよ。
「だって、宮野の頭の中、弟クンのことでいっぱいみたいだから」
「…へっ?」
「だから、早く解放してあげようと思って」
真田くんの、ニカッと笑う顔。
…今、彼はどういう気持ちでそんなことを言ってるんだろう。
「…ごめん。私…、」
やっぱり私は最低だ。
返事を先延ばしにして、当たり前の友達のように振舞って。
真田くんの気持ち、分かってたはずなのに。
「いいって。返事まだしないでって、言い出したの俺だし」
「…っ」
私は、彼に甘え過ぎてた。
「私…、真田くんのことは好きだよ」
「…うん」
「けど、それは友達の意味で、で…」
「うん」
分かってたよと、真田くんは言った。
「ごめん、なさい。真田くんとは、付き合えない…」
なんで、私が泣いてしまうんだろう。
傷付けてるのは、私の方なのに。