いつまでも弟だと思うなよ。

「…なんのつもりよ」



ここに来てそう言ってしまう私は、本当に可愛くないと思う。





でも、急にこんなことになったって、信じられるわけがない。



そんな私に、チカはため息をついた。




「アホ」と、そう付け足して。






「だから、可奈が好きだって言ってんの。お前が昨日アイツに返事するなんて言い出すから、こっちは必死で探したんだよ。今朝は勝手に早く行きやがって」



文句なのか、なんなのか。




そんな口調なのに、私の顔はきっと赤くなっている。






「ほ、本気で言ってるの…？金城さんは？…ていうか、あんなに怒ってたくせに！」




それなのに、つくづく私は面倒な女だ。


嬉しいはずの言葉なのに、余計な疑問がたくさん浮かんできてしまう。






そんな私に痺れを切らしたのか、チカは「あーもう」と、私の腕を引いた。






─────ギュッ




そして、すっぽりとチカの腕の中に閉じ込められる。