いつまでも弟だと思うなよ。
ずっと、一生、俺は可奈を離す気はない。
「チーカ」
名前を呼ばれたと思えば、ふわっと彼女の匂いが鼻を掠め、俺の右頬に軽く彼女の唇が触れた。
「……ッ」
「…へへっ」
「ったく、ズルすぎ」
この小悪魔め。
こいつは、自分で自分を追い詰めてることに気付いてないんだろうか。
「可奈、仕返ししていい?」
「へ!?」
可奈が驚いた顔をしたがもう遅い。
煽ったのは、可奈の方だ。
彼女の制服の襟を少しめくり、首筋に顔を埋める。
「ちょ、チカ…っ」
2度目の感触に、流石の可奈も何をされるか分かったんだろう。
「綺麗な紅」
「〜〜っ、バカ〜…」
意地悪に笑う俺とは裏腹に、可奈の顔は真っ赤だった。