いつまでも弟だと思うなよ。
「これ、なんで貼ってんの?」
「…っ」
可奈の背中から抱き締めている俺。
スッと首筋に貼られた絆創膏をなぞれば、可奈は少しだけビクッと肩を震わせた。
「仕返し兼ねて、見せつけるためにつけたのに」
「だ、誰によ…っ」
「ん?みんな?」
クスクスと笑う俺の顔は、今の体勢だと可奈からは見えない。
俺からも、可奈の顔は見えない。
でも大体予想はつく。
きっと、真っ赤にしながらも不貞腐れた表情をしているんだろう。
「ここにつければ、可奈も届かない?」
首元の広い服を着て来たこいつは本当にバカだと思う。
少し服を引っ張れば、肩の後ろが空くわけで。
「ち、チカ…っ、…ん、」
俺は、2つ目の印を彼女に残した。
ここまでしといてまだ満足しきれないのは、俺が年下だからだろうか。
可奈はもう自分のもののはずなのに、もっともっと俺だけで頭をいっぱいにさせてやりたい。