いつまでも弟だと思うなよ。
「かーな」
優しく耳元でそう呼べは、彼女は絶対に反応する。
それが分かっていてやる俺も、どうしようもないバカだとは思うけど。
「すげー、好きだよ」
「…〜っ」
言葉だけでは、足りないくらいに。
「はい、もう解放。俺の睡眠妨害しないでね」
これ以上は危なくて、俺は彼女を包む腕を離した。
「……?可奈?」
それなのに、可奈の動く気配は全くなくて。
「…も、う少し、このままで…」
「…っ」
───本当に、こいつは。
「アホ。…もう知らないから」
可奈は、俺を少し舐めすぎだと思う。
「ねぇ、可奈」
起き上がって、彼女の上に覆いかぶさった。
「いつまでも弟だと思うなよ」
もう、逃してやんない。
【fin.】