いつまでも弟だと思うなよ。
***
「みーさーっ!」
「わっ、びっくりした〜…。…可奈子、いい加減朝の突進やめてくれない?」
朝の登校時間。
いつも絶妙なタイミングで私の前を歩いてる親友を見つけて、今日も突撃した。
振り返るのは安定の美人さんの佐倉美沙(サクラ ミサ)。
中学からの親友であり、高3の今、奇跡的に同じクラスでもある。
「美沙〜。チカちゃんが、チカちゃんがぁ…」
そして、これまた毎朝の恒例。
「あーはいはい、今日も反抗期だって?」
「うぅ。昔はあんなに可愛かったのに…」
チカちゃんの反抗期が治らない現実を、私は毎朝美沙に報告していた。
「千景くんもそうだけどさ、可奈子も相変わらずよね。千景くんへの溺愛っぷり」
「だって可愛いんだもん!」
「うわ、即答かい」
可笑しそうに笑う美沙に頬を膨らます。