いつまでも弟だと思うなよ。
「やっぱ本当に気付いてないんだね可奈子。ほら、あれ見てみなって」
そう言って美沙は窓の外を指差す。
「あ、チカちゃん!」
そこには、今登校してきた様子のチカちゃんの姿が。
実は、私とチカちゃんは同じ高校。
私もチカちゃんも、家から近いというただそれだけの理由でこの高校を選んだため、一緒の学校になったんだ。
「可奈子。見るべきなのは千景くんじゃなくてその周りよ」
「ん?周り?」
美沙に言われて、ピンポイントでチカちゃんだけを見てた私は少しだけ視野を広くする。
「は、はぁ!?」
そして、私は驚くべき事実を知ることになった。
「何あれ!女の子しかいないじゃない!」
そう。
ダルそうに登校するチカちゃんの周りは、女の子でいっぱいだった。
というか、女の子しかいなかった。