いつまでも弟だと思うなよ。
「とりあえず、"チカちゃん"はもう卒業だね。ね?チカ」
「…はぁ。ホントズルい」
「えへへ」
そんなことを言いながらも頬が緩んでいるのを私は逃さない。
「照れちゃって〜。かーわいいっ!よーし!帰ろっ」
パシッと背中を押して、私とチカは学校を出た。
「可奈」
「ん?」
「もう呼び捨てすること怒らないんだな」
「仕方ないから呼び捨て許可出してあげる」
「クスッ、何だそれ」
あはは、と笑う私とチカ。
気が抜けたのか、チカも笑顔を見せてくれた。
少しだけ変わった私達の距離感。
チカは大事な幼馴染で、弟。
けど、それとは別に、新しい形の何かが生まれてるような気がした。