いつまでも弟だと思うなよ。



そのことは可奈に会ったことがある勇太もよく知ってる。




異常に甘くなったり、焦がして苦くなったり、無味な時もあった。





中でも一番酷かった物と言えば、それこそカレーライス。


何故かルーの中からイチゴが出てきたっけ。



リンゴとかパインならまだ分かるとしても、なんでイチゴを入れようと思ったんだか。





「クスッ、」


本当、姉貴面するくせにアホなんだよな。






「…奥原って、あんな顔するんだな」

「可奈子ちゃんが絡んでる時だけだよ、千景の表情が変わるのは」



聞こえないところで河上と勇太がそんな話をしてるなんて気付きもしない。







「出来たよ〜!」


カレーが出来上がったのはその少し後のことだった。




「おっ!美味い!まじ美味いよ!」

「本当だ。すごく美味しい」


「本当!?よかった〜っ」



一口食べると、驚いたように絶賛する男2人。そしてそれに喜ぶ女たち。





「奥原くん…どう、かな?」


そんな中で、何故か金城だけは俺のところまで来て感想を聞いてくるからそこは素直に美味いと伝えた。




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