いつまでも弟だと思うなよ。
「よかったー!」
俺の感想を聞いて嬉しそうに笑顔を見せる金城を見て思う。
普通なら、可愛いって思うんだろうなって。
それなのに全くそう思わない俺は、余程無頓着なのか、可奈の存在があるからなのか。
…まぁ、後者なんだろうが。
何を見ても、聞いても、全て可奈基準で考えてしまうのは自分でも相当だと思う。
それでも、どうしても、俺の中で可奈は他とは違う存在なんだ。
***
「チーカっ!どうだった?炊事遠足は!」
「…るさい」
驚くことに、俺が家に帰るとリビングには可奈がいた。
疲れてリビングのソファに座ると、隣に座って炊事遠足の感想を問われる。
…近い。
俺の気持ちに少しくらいは気付いているだろうに、この距離の近さは最早小悪魔レベルだと思う。
もっとも、可奈のことだから何も考えてないんだろうけど。