いつまでも弟だと思うなよ。
その先を見れば、玄関で待っているはずの不機嫌なチカがいて。
「あんなことって、何?」
「…へっ?」
そう、ポツリと聞いて来た。
「な、なんのこと…?」
え、もしかして私、声に出てた?
…って、待って。
「チカ、何勝手に人の部屋入ってんのっ!」
それより、勝手に部屋にいる方が問題でしょう!
「とぼけるな。つか話逸らすなよ」
「なっ…!そっちが勝手に…───」
「──で?誰に、何されたわけ?」
私の反論も虚しく、強制的に話を被せられた。
チカの私の腕を掴む力が強くなる。