いつまでも弟だと思うなよ。
それを分かってて利用するなんてずるいとは思うけど。
…でも、こうでもしないとチカと目が合わないから。
「…ごめんね、チカ」
謝る時は、しっかり目を見て言いたいの。
「……」
チカは驚いたような表情を浮かべた。
「私…チカのこと、傷付けたよね。あの時はただ、その、混乱しちゃって…って、言い訳なんだけど」
何をごにょごにょ言ってるんだと自分に突っ込みたくなるけど、今の私にはこれが精一杯。
「正直に言う。……真田くんにまた好きって言われた」
「…っ」
精一杯ながらに、正直にチカに伝える。
「そ、それでちょっと…距離が近くて…」
「…ドキドキしたってわけ?」
「えっ…、まぁ、うん」
「ふーん」
それだけ言うと、チカは立ち上がってベッドに横になった。