いつまでも弟だと思うなよ。
「で、可奈子はどうしたいの?」
美沙の真剣な目が私を捉える。
「わ、私は…、とりあえず、今まで通り朝はチカに会いに行くよ」
「そっか」
今の私にはそれしか出来ない。
チカのことが分からなくなってしまった今だからこそ、私はチカから離れたらいけないと思うから。
そんな私に美沙は、頑張れ、と言ってくれた。
「美沙〜。好きーーーっ」
「はいはい、知ってる」
美沙。私、頑張るよ。
そう決意をして、気合を入れた。
「…なるほど。それでこんなにペースが早いわけか」
「その通りですっ」
放課後。
実行委員の引き継ぎ作業最終日。
無駄に気合の入っている私に、目の前の真田くんは苦笑した。