年上の彼。
3.兄の友達
____兄の友達。





「ねぇ…… なんでいるの?」

「さぁ?何ででしょうね?」

私の部屋、しかもベッドの上で少女漫画を読みながらくつろいでいる彼。

「お兄ちゃんは?」

「彼女とデート」

「……はあ?じゃあ何でいるのよ?」

「ダブルブッキングってやつ?」

私の2つ上の兄は少し、いや結構抜けている。

そんな兄と高校の頃から仲良くしているんだから、ある意味貴重な存在だとは思う。

「いつも兄がご迷惑おかけしてます」

「いーえ。お構いなく」

兄の良き理解者と言っても過言ではない。

彼に初めて会ったのは確かに私が中学生の時。

兄が家に連れてきた友達の中に彼がいた。

他の人は妹の私にも気さくに話しかけてくれたが彼だけは違った。

無愛想、無口、冷静と何ともクールで何を考えているのかわからないという第一印象。

見た目も同じくボサっとしていたら中身と伴い同等なのだが….… まぁなんとも整ったお顔立ちで。

喋らなくてもモテるオーラが出ていた。

「で、なんでここにいるんですか?」

「……暇だから?」

このような事は今回に始まったことではない。

私が高校三年の時、大学受験の勉強を彼に教えてもらった時期があった。

兄いわく頭はズバ抜けていい。との事で。

確かに教え方も上手だったし、思春期の女の子としては彼に惹かれるものはあった。

だからと言って恋愛感情なのか自分でもよくわからないから、私も相当な恋愛音痴なんだと思う。

それからというもの用もないのに私の部屋に入るようになった。

彼にはデリカシーってものがないらしい。

「私は暇じゃないです」

社会人となって三ヶ月が経ち、週末の休日は唯一の癒しの日。

家でひたすら少女漫画を読んでトキメキを充電。

現実逃避といえばそれまでなのだが。

リア充の兄なんて吹っ飛んでしまえ。
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