君は俺の初恋
会ったのは桜の日だったね。

_______________

少しだけ俺の恋バナでもしようか。
俺が雪姫乃を好きになったのは高校2年生になったばかりの春だった…。

「城谷くん!だよね?はじめまして!
私、真城雪姫乃!隣、よろしくね?」
クラス替えをして雪姫乃の隣の席になったのが始まりだった。

無愛想な俺にニコニコ笑いながら挨拶をしてきて、正直最初アホな子だなって思ったよ。でも

「城谷くん!」
「しーろたーにくん!」
「名前で呼んでもいーい?」
「あおくん!」
「あーおくん!」

飽きもせず俺の名前を呼んで当たり前のように俺の隣にいてニコニコ笑いながら歩いていた。
それがいつの間にか俺の日常になっていた。

そして、高校2年生の冬。

「雪姫乃、好きだよ。俺と付き合って」

人生初めての告白をした。
息をする度にでる白い息、しんしんと降る雪の中で2人きりの公園で雪姫乃に告白をした。
表に出さなかったものの酷く恥ずかしかった。だけど

「ごめん…なさい…あおく、ん…
私…好き、なひとが…、いるの…」

今にも泣きそうな顔で言われたな。
俺の方が泣きそうだったのに
少しでも潤んだ目を雪姫乃に見られたくなくてマフラーに顔をうずめた。

「そ…っか。じゃあさ、雪姫乃の好きな人って誰…?」
自分でもなんでこんなこと言ったのかわからない。
ただそいつを恨むだけなのに。

「同じクラスの…黒井くん…なの」

下唇を噛み、言いたいことをまとめる。
なんであいつなの?
俺の方がスペック高いじゃん?
あんな優男のどこがいいの?
自分で言うのもなんだが、これでも俺はモテてきた方だ。

嫉妬と憎悪が頭の中を駆け巡る。
「なん、で…黒井なんだよ…」
「な、なんで!?…んー…いつの間にか好きになってたの…
それだけ。」

そう雪姫乃はニコッと頬を染めながら笑った。まだまだ言いたいことはあった。
でもそんな表情みたら…
「そっか」

なんも言えないじゃんか…

「でもさ、俺諦めないから覚悟しといてよ雪姫乃。」
「っ///////覚悟…しときます…」
「ぶはっ…なんで敬語…笑」
「なっ笑わないでよ!あおくんのばか!」

そういって雪姫乃は俺の肩をポカポカ叩いてたな。
まだ鮮明に覚えてる。

君に恋をした瞬間も
君に告白した瞬間も
君にふられた瞬間も
君と笑ってた瞬間も

全部全部、覚えてるよ。
だから、さ。

そろそろ俺のこと見てくれてもいいんじゃないの?

いっぱい愛してあげるよ?
いっぱいデートしてあげるよ?
いっぱい抱きしめてあげるよ?
いっぱいキスもしてあげるよ?

俺の気持ちはずっと変わらない。
俺はずっと諦めない。
絶対に。
だから、

「雪姫乃、好きだよ。俺と付き合って」



今日も俺は不毛な恋をする。
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