愛しているから側にいて。
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「あ!おかえり!大翔!」
最近は仕事が思うように進まず、日付が変わってから帰宅することが増えていった。
そんな日々にイライラもした。
けれど、更に俺は目の前でニコニコ俺を玄関まで迎え、そのままリビングまで微笑んでいる由仁にイライラしていた。
「何でこんな時間まで起きてんの?」
俺はリビングに入り、着ていたスーツを脱ぐ。
由仁は、冷蔵庫からお茶を取り出し俺のコップに注いだ。
「…え?」
由仁は、お茶を冷蔵庫に戻すと固まったように俺を見た。
「ねぇ…」
俺の声かけにハッと我に返ったのかモゴモゴと話し始める。
「え、だって、あの…」
煮え切らない由仁の反応に更に腹が立つ。
「何だよ!ハッキリ言えよ!イライラすんなぁ!!」
語尾を荒らげるとビクッと由仁は肩を震わせた。