愛しているから側にいて。
「え、だって…約束したじゃん?
どんな時も挨拶はしようって…
出来なくても、ほ、ホワイトボードに書いておこうねって…」
由仁は冷蔵庫に引っつけてあるホワイトボードを取り出した。
「…うんだから、寝てたらよかったんじゃないの?別に直接じゃなくたって、ホワイトボードでもいいんだろ?」
俺ははぁと盛大に溜息を付きながら、ネクタイを外す。
「で、でも、大翔、書いてないじゃん…」
「忙しいんだら仕方ないだろ!?毎日、毎日終電近くまで働いて、お前より先に家出てんだよ!分かれよ!!」
もう俺寝るから!!と脱いだスーツを手に寝室に向かう。
「…お、お風呂は…?沸かしてあるよ」
おずおずと由仁が俺を引き止める。
要らないとだけ答えて俺は寝室に入り、そのまま泥のように眠った。
その後、由仁が「約束もう必要ないって思ってる…?私は、大翔との約束大切に思っていたよ…」
と、啜り泣きながら俺の隣で眠りについたことを知らなかった。
その翌日だった由仁が出ていったのは…。