葛城社長と運命の恋を始めます
花枝さんが私にお茶を出してくれた。


「私は葛城家の使用人なのに、今まですみませんでした。娘たちのご無礼もお許し下さい。」


慌てて立ち、私も頭を下げた。


「美土里も謝りなさい。」


美土里さんはただ頭を下げただけで、亜紀さんは私が羨ましいと言ったのだ。


亜紀さんは複雑な家庭に育ち、家もなくなり花枝さんを頼って、葛城家に住むようちなったと言う。


「はなさんを捨子と言ってしまって、本当にごめんなさい。私も親に捨てられたから、はなさんを見てると悔しかった。」


本当に私は捨子だったのかな。


両親に確かめるのが怖かった。


「はなは捨子じゃないよ。俺ははなのご両親から、全てを聞いているからね。」


え、何で、私が知らないことを朝陽さんが知ってるの。


父さんと母さんは、どうして私に話してくれなかったの。


本当の事を聞くのが怖くて、私の本当の両親の話は聞けなかった。


私の両親は今の両親だから。


そう思っていたのに。


どうして、こんなに不安になってしまうのだろ。









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