葛城社長と運命の恋を始めます
はなのご両親も呼んであると言われた。


このタイミングで何故。


本当の両親の話を聞きたいけど、聞くのが怖い。


朝陽さんが大丈夫だと抱き締めてくれたけど、顔が上げられないくて、うつ向いてると、はなと呼ぶ声。


大広間に花枝さんたちはいなくなり、お祖父様とお婆様、朝陽さんのご両親と私の両親が目の前にいた。


顔を上げると、母さんに抱き締められる。


「はな、ごめんね。」


父さんが全てを話してくれた。


私の両親は父さんの友人で、父親は事故で亡くなり、母親は私を生んで直ぐに病死したと言う。


子供に恵まれなかった、今の両親が私を育てる事に。


「でも、はなは私たちの子供だ。」


分かってるよ、そんなこと。


一度も両親を他人だと思った事はない。


その時、お祖父様が私の本当の両親を知ってると言い出した。


私の父親は医師で、母親は同じ病院で働いていた看護師。


祖父母がずっと私を探している事も話してくれた。


「はなさんが葛城家の嫁に相応しい人か、悪いと思ったが調べさせて貰った。」


あまりいい気分ではないが、葛城家の嫁になるにはそれだけの事が必要なのだろう。


朝陽さんは面白くないようで、祖父さんが反対しても結婚すると言い切った。


お祖父様とお婆様はもう反対はしてないと。


お祖母さんが私が庭の手入れをしてからは、お花が元気に咲くようになったと誉めてくれたのだ。


「お花を大切に思うはなさんは心優しい人ね。朝陽には本当に勿体ないわ。」


誉めていただいて光栄です。


これって、葛城家の嫁に認められたと言う事だよね。


ここは喜んで良いのかな。


まだ、自信はないけど。


父さんも母さんも泣きすぎ。


私まで泣けて来た。









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