葛城社長と運命の恋を始めます
はなさんと新しいホテルを作り上げる事が出来て本当に嬉しいと、朝陽さんが言った。


ううん、私こそ感謝します。


大学と花屋の手伝いに終われて、ゆっくり自分の未来について考えた事がない。


大学も私の頭で入れる所を選んだ。


勉強が好きな訳でもないし、両親に進められて大学を決めた。


いつも肝心な時に決められないし、迷って適当な楽な道を選んでしまう。


もしかして、朝陽さんは私の行動を見抜いているのかも知れない。


「ここでのバイトを楽しめそうかな。」


はい、と素直に頷いた。


春休みはずっと店の手伝いだと思ってから、少ししんどかったのは確か。


父さんは休みは好きな事に使えばいいと言ってくれるけど、母さんには強制的に手伝わさせる。


花屋の手伝いが嫌な訳ではないけど、ずっと小さい頃から手伝ってきたから、友達とも遊ばなくなったのは確かだ。


自分は養女で、血の繋がらない私をここまで育ててくれてとかそうは思ってないって言うか、母さんは全く甘やかしてくれなくて、家族で花屋をやってるんだから、手伝うのは当たり前だと言われた。


5年前の事故後はかなり甘やかしてくれたのに、その後は以前と変わらず口うるさい母。


私が高校を卒業後、今の新しい店に移転した。


老朽化が進んでいたし、ここに移転して本当に良かったと思う。

















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