葛城社長と運命の恋を始めます
電話を切ろうとすると葉山さんが話を続けた。


私は決してはなさんを嫌ってる訳ではありませんが、社長があまりにもあなたに関わり過ぎて、仕事に影響することが心配だと言う。


「私の仕事は社長を支える事なので、意地悪な言い方をしてすみません。」


それにはなさんの事は文乃のから聞いていたので、以前から知っていましたと言った。


え、文乃さんは葉山さんの妹で、あの交通事故で亡くなったと聞いていたけど。


葉山さんの話によると、文乃さんは私とクラスは違うが同じ高校だったらしい。


花屋のはなちゃんがいて、とっても可愛い子で、友達になりたいと葉山さんに話ていたと言う。


全然可愛くないし。


葉山文乃さんの事は分からない。


多分、私は情報処理課にいたから、会ったことはないと思う。


「ごめんなさい。文乃さんの事は分からなくて。」


気にしないで下さいと葉山さんが言った。


「あのいつか文乃さんのお墓参りをさせて下さい。」


「あなたと言う人は本当に、」


その時、葉山さんの声が消えた。


「勝手にはなと話すな。」


朝陽さんが怒っていた。


違うのに。


葉山さんは何も悪くない。


私が勝手に。


「はな、怒鳴ってごめん。」


朝陽さんが嫉妬してるのが私でも分かったけど、違う。


葉山さんの妹さんの話をしただけ。


朝陽さんにうまく伝られない。


電話はそのまま切れてしまった。


自分からかける勇気を持ち合わせていない。


私のせいで又葉山さんが辛い思いをしてるのかと思うと、申し訳なくて、涙が溢れた。


朝陽さんに誤解されてしまったのかも知れないけど、今の私にはどうすれば良いのかも分からない。


スマホを握ったまま、しばらくそこに立ち尽くしていた。











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