葛城社長と運命の恋を始めます
前にも言ったけど、私は家事が全く出来なくて、母さんにいつも怒られてばかりだ。


自分の服ぐらい洗濯しなさいとか、部屋が汚いだとか、ずっと言われ続けて20年、多分。


小さな頃から、はなは片付けられない子ねと言われた。


父さんは何も言わずに片付けを手伝ってくれたし、料理も母さんよりも父さんの方が上手だと思う。


父さんは私に甘いけど母さんはかなり厳しい。


「このままの体制はかなり不味いな。まだはなを襲う訳には行かないし。」





私は襲われかけてるの。


きょとんとして、朝陽さんを見つめると。


「本当にヤバイな。」


朝陽さんさんが体制を崩して、私の横にごろんと寝ころぶ。


朝陽さんに腕枕をされた。


「はなが大切だから、結婚するまでは手は出さない。でも、限界が近づいてるから、早く結婚をしたい。」


何も出来なくて、女としての魅力もない、20才の大学生をこんなに思ってくれる人は、きっとこの先現れる事はないと思う。


はなが嫌がるのを無理に結婚するつもりはない。


はなが俺と同じ気持ちでいてくれるのなら、どんな事になってもはなを守るし、はなだけを愛する事をここで誓うよ。


「俺ははな以外はいらない。」


もう駄目。


はな以外はいらないの言葉に、完全に落ちた。


私も朝陽さん以外はいらない。


だから、朝陽さんの手を取ってお願いしますと頭を下げると、思いきり抱き締められる。


朝陽さん、痛いです。


涙目で訴えると、ごめん、ごめんと謝る朝陽さんが可愛くてたまらない。


愛しい、心からそう思えた。









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