葛城社長と運命の恋を始めます

結婚の先にある未来には家族が必要です

一人でタクシーに乗り、行き先を告げた。


決めたら、即、行動が私のモットーだから。


自分に言い聞かせて、お屋敷の前でタクシーから下りた。


お母様の菜緒さんがいるとは限らないし、怖いお手伝いさんたちがいる事は確かだと思う。


この門を開けるにはどうすればいいのだろう。


しばらく門の前で考えていると、後ろから声をかけられた。


「もしかして、あなたははなさんではないですか。」


あのときの年輩の使用人さんだ。


確か名前は村山さんだったかな。


「一人で来られたのですか。」


頷くと、今日は会長も奥様もいないと言った。


「朝陽さんのお祖父様とお婆様はいらっしゃいますか。」


村山さんがいる事はいるのですが、多分はなさんとは会わないと思いますと言われる。


そこを何とかお願いしますと頭を下げた。


「今日、ここに来たことは朝陽様はご存知ですか。」


首を左右に振った。


「私の一存で今日は来ました。どうしてもお祖父様とお婆様に会いたかったので。」


村山さんがしばらく考えた後、お二人にはなさんが会いに来たことをお伝え来ますと。


たとえ、断られても良い。


何回でも来るつもり。


こんな事に負けたりしない。


しばらくすると門が開いた。


入っても良いって事だよね。


恐る恐る中へと進んだ。








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