葛城社長と運命の恋を始めます
真っ暗になるまで草取りをした。


いったい何時なんだろ。


お腹も空いたけど、誰も食事だと呼びに来てもくれない。


この花がおにぎりに見えてきた。


このまま飢え死にするかも。


笑いたいのに笑えないよ。


「はな。」


私の名前を呼ぶ愛しい人の声。


「はな、大丈夫か。もう21時を過ぎてると言うのに。」


もう、そんな時間?


誰も呼びに来てくれないし。


「ごめんな。親父とお袋は今海外にいるから、はながこの屋敷に来てることを知らない。爺さんと婆さんは本当にあてにならないし、花枝さんに逆らえないからな。」


村山さんがかなり心配をして、朝陽さんに連絡をしてくれたらしいけど。


それは駄目だ。


花枝さんの許可ないと部屋には戻れない。


「大丈夫だから、何か食べよう。」


お腹は減ってないと言おうとすると、お腹がなった。


いいから、おいでと言われ、片付けをしてお屋敷に戻る。


中川さんたちはすでに、夕食を済ませていて、私が来ないからいらないと思い片付けたと言う。


聞きてないんですけど。


そう言おうとした言葉を飲み込んだ。


「俺の部屋ではなに食事をさせるから、明日又こんな事をしたら、ただでは済まないと思え。」


朝陽さんが怒った顔を初めて見た。


リアルだな、なんて呑気に思ってると。


花枝さんにいつまで持つかしらと言われる。


美土里さんに又睨まれた。


綺麗な人の怒った顔は、本当に怖い。


姪っ子の亜紀さんがニヤリと笑ったその顔の方がもっと怖かった。


まさか、魔物が4匹もいるだなんて。


思いもしなかった。


お腹が空いてフラフラで、今は戦える自信がない。


頑張るんだ、はな。


負けるな、はな。











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