地球の未来を背負った男【短編】
はぁーー、何故?今こうしてカビパンの話しを聞いているのかすら分からない。
だいたい、カビるとパンは喋るんだったのか?
しばらく人と話してないと、こういう事になるのか?
俺もとうとう、アッチの世界へ踏み込んでいたのか?
そんな俺をおいてきぼりにしたままに、カビパンの話しは続いた。
「あっ、申し遅れました。私はおよそハチマイギリ億光年の先、金星の遥か東の果てからやって来ました、イースト金星人の長をしている者です。名前はちょっと、この星の言葉では発音出来ないのでご了承下さい」
仕方なく俺も自己紹介した。
柳橋 武史(ヤナギハシ タケシ)
それが俺の名前だ。